シャインマスカット出荷直前

このサイトを作成してから気がつけば1年経っていました。そのうち書いた記事はなんと4件。忙しいを言い訳にしているわけです。
さて、今年ももうすぐシャインマスカットが育ってきます。本日若木の房をひとつ測れば糖度22度(*)。十分に甘さは乗ってきています。しかし、古い樹はまだまだじっくりと熟すのを待っています。香りもじっくり、ゆ〜っくり待った物の方がいかにもマスカット香がして美味しく感じられます。今年、我々の地域の旬は9月中旬くらいかなと思います。もう西の方のぶどうはだんだん終盤に近づいてくると思いますが、秋はこれからです。

今年は、昨年より少しだけ良くなった気がするのでネット販売も始めました。
ポケマルに出店しましたが、どうやって食べてもらうかは悩みどころ。
できれば、産地まで足を運んでもらって食べてもらえたらなあとか。子どもたちにどうやって安心してたべてもらえるかなとか。

僕は長野県生まれですので、子どもの頃からくだものはご近所からよく貰ったりしていました。なので、子どもの頃から、くだものはかなり身近であったと思います。市内ではどうかはわかりませんが、東京ではなかなか手を出しづらいですよね。諸外国のように大規模生産できれば値段も下がると思うのですが、中山間地では大型機械入れられる圃場作るのは容易ではありません。手間がどうしてもかかってしまいます。やってみて難しいものです。
その上で、農薬をどうやって減らすとか、化学肥料を減らすとか、考えてみては試してみているわけです。くだものは一年に一回きりの収穫なので、果たして元気なうちに納得のいくものが作れるのか、全くの未知数。それでも、勉強して、試してみて、去年よりちょっと良くなったと思えるぶどう、食べて試してもらえたら嬉しいです。

(*)出荷基準は糖度18度以上ですので、すべての房が22度あるわけではありません。

ラジコン草刈機

今日はJAながのが主催の農機の展示会を見に行きました。
お目当ては草刈機。果樹園の草刈りといえば、乗用タイプのものが主流だと思います。
どうしても広い面積を管理しようと思えば、短時間で多くの面積を刈れるものが好まれます。
現在でもなんだかんだで草刈りに丸一日費やしていますが、2週間に一度となれば、なかなか時間を使う作業です。今の所、草刈り等の農機はオペレーターが一人(自分!)なので、危険の少ない方法で草刈りをできる方法があれば他の方にもお任せしたいのです。

ということで、今回のお目当てはラジコン草刈機です。今回実機を見ることができたのは4社でした。安全性や操作性など各社仕様を工夫されていますが、どちらもバッテリーとモーターとエンジンのハイブリッド駆動というのが主流のようです。

値段帯としては、乗用タイプのものと比べて同じくらいの印象ですが、時間あたりの作業面積は乗用のものに軍配が上がります。

共立さんやヤンマーさんのものはホームページなどで仕様が出ていますし、利用されている方もいらっしゃると思うのでなんとなく想像通りでしたが、写真の一番手前、麻場さんとエムケー精工さんのものはなかなか面白かったです。機動力を売りにしていて、早歩きくらいの速度で走行可能なので、感覚としてはRCカーに近いかもしれません。プロポもシンプル操作でわかりやすいというところも嬉しいです。走行はモーターですが、エンジンはガソリンエンジンで混合ガソリンでないというところもいいです。(混合作るのめんどくさい)
今の所長野県内のみで販売してみようという感じらしいですが、自分の利用方法に限って言えばかなりアリな機種です。
がんばれ県内企業!

りんごの荒摘果からのタイムパフォーマンス

ゴールデンウィークから始めている荒摘果が漸く終わりが見えてきました。本来5月中に終わらせたい作業なのですが、すでに6月の半ば。その間シャインマスカットの新梢管理やら消毒やらと5月6月は繁忙期になります。
繁忙期とはいえ、当園では土日休みを基本としています。家族経営で未就学児がいますので、なかなか時間のやりくりが難しいところですがなんとかやっています。もう少し規模増えたらお手伝い頼もうと言いながら、なかなか人を雇うところまですすみません。

さて、タイパが叫ばれて久しいこの頃ですが、生き物や果物が育つのに劇的な時間の短縮、というのはありません。化学反応があり、細胞分裂があって成長していきますので、ボタンを押して明日出来上がりというわけでは当然ありません。
ただ、まあ都会での暮らしを長くしていて、世の中がどんどん便利になるのを目の当たりにしていますと、なんとなく別世界の話をしている気になります。物価高騰のニュースもありますが、一方で大企業の新卒お給料は右肩上がり。就職氷河期世代の自分の新卒時の倍の額面を聞くと時代の変化を感じます。やりたいことの自由度が全く違いますよね。
当園でも作業効率を上げるための方策をいろいろ検討しますが、作業時間1割削減するのはなかなか至難の技です。摘果のような作業はしばらく手作業が必要です。
草刈りだけでもロボット導入できれば理論的には1割くらいは削減できるはずなのですが、導入コストと収益が全く見合いません。お話にならないくらい。
ただ、まあ5年以内くらいには一箇所くらいロボット芝刈り機でも入れたいなとは思っています。

それにしてもやはり、物価高騰による経費圧迫の割には販売価格は変わらないのが悲しいところです。農産物の価格は大手卸売の価格で決まるという世の不思議。流通コストやら保管コストやらかかるのは分かりますが、スーパーで見る価格と農家からの売値の乖離がすごい。どこに消えていくんだそのお金。
そう考えると、良いもの食べたければ直接農家のところに行って通常価格で買うのだけでも助けになります。ネットの直販サイトもありますけど、結局輸送コスト考えるとコストメリット感じにくい時代になってきましたね。宅配業者さんたちが泣いてさらにお客さんも高いもの買わなくちゃいけないとなると考えちゃいますね。

しばらく何もこのサイトに書いていなかったので少しは書こうと思ったらなんかまとまらない話になってしまいました。とりあえず、毎日真面目に作業してます。ちなみに雨でも土日祝以外は仕事してます。晴耕雨読の境地にはまだ至っていません。